ビショップ


ビショップ、ナイト、クイーン、それぞれのピースについて、戦略に関わる内容を記事に
します。ルークに関する戦略は、ルークを オープンファイル や ハーフオープンファイル で活用すること、7 th ランクにルークを運ぶこと、を考えれば始めは十分でしょう。

頻度が高いルークのエンドゲームは重要で、難しいものも多いです。基礎的なエンドゲームの本で学び、その後 Starting Out: Rook Endgames - Chris Ward などの
ルークエンドゲームに特化した本で学ぶと良いでしょう。


Bad Bishop と Good Bishop


センターを支配することの重要性から、センターにポーンを進めますが、センターにある自分側の ポーン は ビショップ に影響を与えます。

状況によるので厳密に言えば違うのでしょうが、センターにある自分側のポーンと同色マスのビショップを Bad Bishop、 異色マスのビショップを Good Bishop と思っていて
大抵問題ないでしょう

上図であれば、e4 ポーンと同色の Bf1 は Bad Bishop で、異色の Bc1 は Good Bishop です。Bf1 は f1 - a6 ラインが開かれていて問題ないように思えますが、エンドゲームになった時、e4 ポーンが残っていて、同色の白マスビショップが残っていると e4 ポーンが 白マスビショップの可動性を妨げ、不利となることが多いのです。

e4 ポーンを他のポーンで守るには、守りのポーンも白マス ( d3 or f3 ) に置くため
さらに白マスビショップの可動性を妨げます。

このようなことから
Bad Bishop と Good Bishop を見分けられるようになること
なるべく Good Bishop を残すようにすること

を考えましょう。




白側のビショップは両方とも利きが開いていて問題ないように思えますが、センターにある白側のポーンは黒マスにあるため、Bc1 が Bad Bishop、 Bf1 が Good Bishop です。

黒側は Bf8 が Good Bishop、 Bc8 が Bad Bishop。 さらに e6 ポーンが Bc8 の展開を妨げているため、Bc8 をいかに展開するか、活用するか、といったことが求められます。

上図では、黒マスビショップ同士の交換は白側に都合良く、白マスビショップ同士の交換は黒側に都合がいいです。Bad Bishop を Good Bishop と交換できた方が得だからです。 

駒交換についてはまた別記事で扱います。




この局面では黒側の白マスビショップが f7 - e6 - d5 のポーンチェーン の外側に展開しているため、黒側の白マスビショップは悪くありません。しかし、エンドゲームに黒の d5、 e6 ポーンが残りそうな場合、黒側の白マスビショップの可動性が妨げられるため、状況を見て、白側のナイトか白マスビショップと交換した方が良いでしょう。

白マスビショップ同士の交換は、白側の Good Bishop がなくなるので、黒に都合が良くなるでしょう。




FM bolevole vs. gk66 1-0

センターの4マス ( d4、d5、e4、e5 ) にポーンがないので、この先まだ分かりませんが、上局面においては Bh1 と Bh8 が Good Bishop となってます。



5...Bd4


黒の Good Bishop と 白 Bad Bishop の交換になるので疑問手に思えますが、Spike1.4 の分析では 5...Bd4 はそれほど悪い手ではないようです。 6.Bxd4 とすると 6...Nxd4 で黒のナイトが好位置にくるため悪くないということでしょうか?

6.Ne2 が良さそうですが 6.e5 となりました ( 下図 )。



6.e5


6.e5 は悪くないように思えますが、6...g5 とされ、7.fxg5?! Bxe5 または、7.Bxd4 Nxd4 8.fxg5 Rxg5 いずれも黒が良いようです。

ゲームでは黒が 6...d6? としたので、7.exd6 としていれば白は e5 ポーンを弱くすることなく、その後 ...g5 とされても fxg5 とできました。ゲームでは 7.Bxd4 となりました。

6...d6? 7.Bxd4 Nxd4 8.Qc4 N4c6?! 9.d4 d5 10.Qd3 下図




黒 d5 ポーンにより Bh1 の利きがブロックされていますが Good Bishop のため、Bf3 や Bf3 → Be2 など可能です。一方、Be8 は白マスにあるポーンにより非常に活用
しづらい状態です ( Bad Bishop )。

Spike1.4 の分析を見ると若干 白がいいぐらいのようですが、Good Bishop だけでなく、スペースでも勝っている白の方がいいでしょう。

白としては
Good Bishop の活用
黒に Bad Bishop を残させエンドゲームを有利に進める
不要なピース交換を避ける
などの戦略が考えられます

黒としては
スペースで劣っているのでピース交換をしたい
Bad Bishop を白側のビショップかナイトと交換したい
スペースを得ている a サイドで攻める
など



35.Rxd5 の局面


マテリアルは同等ですが、protected passed pawn がありオープンな局面で Good Bishop を持っている白が優勢です。この後、35...Nc6 36.Rd6 Rd8?? 37.Rxb7+ Kxb7 38.Bxc6+ でフォークがかかり黒リザイン。

あくまで状況次第ですが、自分は Good Bishop を残すようにして、相手に Bad Bishop を残させるようにすることは有効な場合が多いですので、ゲームの中で意識していきましょう!


Two Bishops

チェスを始めてしばらく経つと 2つのビショップを保つことが利点となることを知るでしょう。いわゆる Two Bishops、 または Bishop Pair ( ビショップペア ) を保つことです。

何故 2つのビショップを保つことが良いのでしょう? それは、1つのビショップでは片方の色のマス、すなわち32マスに対してのみ支配可能ですが、2つのビショップがあれば64マスに対して支配が可能であること、相手の駒の動きを制限させやすいこと、片方のビショップを失うと、失ったビショップと同色のマスに対して弱くなるからです。

オープンな局面ではビショップが有効な場合が多く、閉じた局面ではナイトが有効の場合が多いので、局面次第ですが一般的に

BB > NB ( BB 側の方が良い )
BB > NN
NBB > NNB

を知っておくといいでしょう。 NBB > NNB では、NNB の B が Good Bishop であれば互角の場合も多いです。

BB vs. NB なら NB 側 はマイナーピース交換すれば、相手に Two Bishops の利点をなくさせることができます。ナイトとビショップを交換するか、ビショップ同士を交換させるかは状況によります。

Two Bishops を活用するには、ビショップを活用しやすいようにオープンな局面にすることなど考えられますが、Two Bishops の活用を自分なりに考えることと、Two Bishops が活用されているマスターのゲームを見て学びましょう。

チェス戦略大全 I - ルディック パッハマン ( 小笠 誠一 訳 ) の本では 
Two Bishops を解説しているゲームがいくつかあって参考になります。

The bishop pair ( chessgames.com Game Collection )


相手がビショップを片方、もしくは両方ない場合で、自分側にビショップペア ( Two Bishops ) がある場合は、局面をオープンにすることでビショップペアを活用しやすくなります。
逆に言えば、相手側にビショップペアがあり、自分側にビショップペアがない場合、局面をオープンにすることは避けた方がいいでしょう。

自分側にビショップペアがあっても、相手もビショップペアがあるなら、局面をオープンにすることは十分注意しましょう。相手にビショップペアがある場合は局面をオープンにするな、と言われるぐらいです。

自分側にビショップペアの利点がある場合、ビショップを交換するのは、交換によって何かしら有利を得る場合に限った方がいいでしょう。交換により有利を得られなければ
ビショップペアの利点を失うことは相手に都合が良くなります。不本意でも交換を強いられる場合は仕方ありません。

12...Nf6 の局面


hitsujyun vs. miremostar 1-0

この時点では互角ですが、13.Nf4 とされると黒は Bg6 と Nf4 の交換を避けることができません。 Bg6 は Bad Bishop なので Nf4 と交換になっても、黒は悪くはありませんが・・・

13.Nf4 h6??
交換を避けられない状況で 13...h6 は無駄で、しかも 14.Nxg6 fxg6 15.Bxe6 で黒はポーン1つ損しました。 13...Nd5!? 14.Bxd5 exd5 15.Nxg6 hxg6 16.exd5 Rxd5 などとするのが良かったようです。



24...Bf6

 
白は 25.Bxb6、 25.Bxf6、 黒マスビショップの交換を避ける、黒に Bxd4 とさせる、という4つの選択肢があります。

25.Bxb6 cxb6 は、黒にダブルポーンを作らせることができ、黒はパスポーンを作りづらいため白は負けることはなさそうです。しかし、異色ビショップのエンドゲームとなるためドローの可能性が高そうです。

25.Bxf6?! gxf6 は、黒のダブルポーン解消を手助けするので良くないでしょう。

25.f4 で 25...Bxd4 とさせるのは良いようです ( 黒は 25...Bxd4 としないでしょうが )。
ゲームでは 25.Be3 で白は交換を避けました。



25.Be3 g5


白は 26.Bxb6? としましたが、この交換はあまり良くないようです。 26.g3 から 
f4 と続けるのが良いようです。交換するよりも、ビショップペアを保ち活用する方が良いのでしょう。



最終局面 44.e6


白が Bg6 とすれば Bxb1 とできるのに対し、黒は 白のパスポーン昇格を止められないためここで黒リザイン。



13...Qxc6 の局面


FM bolevole 1994 vs. sgolemi 1-0

14.Nxd4! cxd4 15.g5 下図




ディスカバードアタックの Tactics により、黒はビショップペアでなくなります 。
15...Qc8 16.gxf5 Qxf5 17.Bxd4 下図




オープンな局面のため、白はビショップペアの利点を活用したいです。
白は a サイド、黒は h サイドで Pawn Majority。
白は g ファイル、黒は c ファイルのハーフオープンファイルを活用したいです。
また、相手がハーフオープンファイルを活用してくることに対して防御しなければなりません。


22...e5?


23.fxe6 のアンパッサンで局面がさらに開かれるのでビショップペアの白側に都合が
良くなります。黒キングが攻撃されやすくなります。

22...a5、 22...Qd6、 22...Rcd8 などが良いようです。



23.fxe6 fxe6 24.Be4+ Kg8


エンドゲームに入る手前といったところでしょうか。キングの安全性に注意を払いながら、ここからどのような アイデア や プランが浮かぶでしょうか?

ビショップペアの活用
...e5 への対処 ( Bd4 が後退すると e3 ポーンの守りがなくなる )
...b5 、cxb5?? Qc2#
h3 の孤立ポーンが弱い ( Bg2 と クイーンで守る? )
...a5 に対して b5 とするのは ...Nc5 とされて良くない感じがするが、...axb4 、axb4 Ra8 となるよりまし
白から Rxf8+ とするのは ...Rxf8 で f ファイルを支配されるので悪い
f ファイルでメジャーピース交換となる可能性がある
メジャーピースがなくなった場合、白有利な感じがする
h サイドで黒にパスポーンを作られることの警戒
a サイドでパスポーンを作れる可能性
Be4 → Bg6 → Bh5 → Bg4 など考えられるが、d3 ポーンの守りを外すのは良くなさそう ( Rd1 が d3 ポーンを守っているのはあてにできない )
など


 
...e5 は g7 ポーンへのプレッシャーが減少するが、e5 ポーンの守りが必要になる
...b5 には c5 とされるので良くない
...a5 とするのは良さそう
ルーク交換はしても良さそうだが、クイーンは残したい
h サイドでパスポーンを作れる可能性
マイナーピース交換して白のビショップペア利点をなくさせる
マイナーピース交換するならナイトと白の黒マスビショップ → 異色ビショップのエンドゲームになる
h3 の孤立ポーンをクイーンで攻撃する
など

上局面の続きは下記にて ( 24...Kg8 からご覧ください )


最終局面 33.Rg2


白はマテリアルで勝っており、黒は白の適切な対応により攻めきれずここでリザインしました。

次へ → ビショップ2


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