クイーン


クイーンは駒の中で最も利きが多く、攻撃に適してます。クイーンを守りにしばりつける
ことは良くないですが、守りにも使います。

利きが多いため、より多くの駒を守れるものの、クイーンだけで多くの駒を守り過ぎると守りきれなくなり、駒損につながるので注意しましょう。

相手がクイーンを使ってキング周辺を攻めてきた時、自分のクイーンをキング周辺の
防御に回せないと、不利を招くことがありますので注意しましょう。

クイーンとルーク、及び クイーンとキングの位置関係は十分注意する必要があり、相手ナイトにフォークされたり、相手ビショップからスキューアされることに気をつけましょう。

オープニング から エンドゲーム まで クイーン はどのような使われ方をするでしょうか。

オープニング
通常のチェスで 1.e5 d5 2.exd5 Qxd5 の Scandinavian Defence のようにクイーンが早期に展開することもありますが、一般的にはクイーンを早期に展開させると、クイーンが攻撃を受けやすいため、先にマイナーピースを展開させてからクイーンを展開させる場合が多い

駒交換を利用してクイーンを展開させる
マイナーピースの展開を妨げない位置に展開させる
ビショップやナイトと連携させる
相手がうかつな手を指した時、チェックして駒得する
早期にクイーン同士を交換して Queenless Middlegame にする
相手ポーンをクイーンで取りに行った時など、退路を失うことに十分注意する

ミドルゲーム ・ エンドゲーム
ビショップやナイトと協力して攻めに使ったり、メイトを狙う
ダブルアタック、スキューア、サクリファイスなどのタクティクスで使う
マテリアルで有利を得たならクイーン交換して相手の戦力を減らす ( 単純化 )
不利な状況ならクイーン交換を避け、活用することを考える
クイーン交換すべきかどうかの判断
ルークと連携してオープンファイルの支配、メジャーピース交換
弱いポーンを狙う
など


タクティクス や エンドゲームに関連したものはそれぞれの分野の本で学んでください。始めは安易にクイーンを交換してしまうより、クイーンを残して活用することを考えましょう。R1600 ぐらいになったら、クイーンを早期交換して Queenless Middlegame にするのも面白く、良い経験となるでしょう。

Q K vs. R K の状況になるのは稀ですが、いろんなクイーンの使い方があり学ぶことが多いです。 R 側がどのように防御するかについても勉強になります。
参考サイト  http://kqvskr.blogspot.jp/

クイーンが戦略に関わるものとしてクイーン交換について参考例を見ていきましょう。

単純化

14...Rdf8 の局面


majesticspirit vs. NM Ty_Twadd 0-1

黒がポーン1つ多く、h サイドで Pawn Majority があり、黒が有利に思えますが Spike1.4 の分析を見ると何故か白が少し良いようです。スペースでは白が勝ってます。オープン f ファイルがあるため、メジャーピースの交換となりそうです。メジャーピース
交換は、マテリアルで勝っており、スペースで劣っている黒有利に働きます。

15.Bh4? ( 15.e5 Rxf1+ 16.Rxf1 d5 となるのが白にとっていいようです )
15...Rxf1+ 16.Rxf1 Rf8 17.Rxf8+ Qxf8 下図




ルークがなくなりました。マテリアルで勝っており、スペースで劣っている黒はクイーンも交換した方が、白の戦力を減少させられるので、クイーン交換をした方がいいでしょう。

このように駒交換を行なって局面を単純にしていくことを 単純化 ( Simplification )
といい、基礎的ですが大事な戦略です。

「 有利を得ていれば、ピースを交換し、不利ならばポーンを交換する 」
と言われます。

有利を得ていればピース交換を行なって相手の戦力を減少させ
不利ならばピース交換を避けて戦力を温存します

不利側が、ポーン交換を進める理由としては
有利側のポーン昇格の可能性を減少させる、またはなくす
K N vs. K
K B vs. K
K R vs. K B
など、ポーンが全てなくなればドローになったり、ドローの可能性が高くなる状況があるからです。

ただしどんなことでも例外があったり、状況次第です。不利だからと無闇にポーンを交換
してしまうと、局面がオープンになり、マテリアルで勝っている側がさらに有利になるようなこともあります。



33.Qf2


パスポーンのある黒が有利なため、白としてはピース交換を避けたいところですが 
( 特にクイーン交換を避けたい )、交換を避けられなくなる状況もあるでしょう。



33...Qxf2+ 34.Bxf2


黒は有利を得ているからといって、34...Bxh4 としてしまうと異色ビショップのエンドゲームになるため、勝ちづらくなるでしょう。 黒としては 34...Bxh4 とするのを避け、ビショップペアの利点を活用しながら、良いタイミングで駒交換すべきです。

34...Kd7 35.Kd3 a6 36.Ng2 Ke7 37.Be3 下図




駒交換については別記事で扱いますが、駒交換の判断が問われることは多いです。
黒は黒マスビショップ交換を行うべきでしょうか? 

駒交換を避けられないなら、できるだけ好条件で行うことを考えるのも大事です。
...Bxe3 とするより、...Kf6 、Bxg5 Kxg5 となる方が黒にとって都合がいいです。



37...Kf6 38.Bxg5+ Kxg5


パスポーンがある黒が優勢です。ナイトの記事で述べたように、ナイトを活用するには
スペースが必要ですが、この局面ではスペースが狭く、ナイトを活用しづらいです。

ビショップ と ナイト交換となり、 h パスポーンが残れば黒が勝てるでしょう。
39.Ke3 Bh3 40.Ne1 Kg4 41.Nf3 Kg3 42.Ng1?? Bg4 下図




これで ビショップ と ナイトの交換は避けられなくなりました。
43.a4 h5 44.a5 h4 45.b4 Kg2 下図




白リザイン。 有利を得ていれば単純化でクイーンを交換することは良いことが多いでしょうが、状況によってはクイーンを残して活用する方がいい場合もありますし、クイーン
交換しても勝つまでは油断できないでしょう。


クイーン交換すべきかどうかの判断

クイーンを交換すべきかどうかの判断に迷うことが結構あります。

クイーン交換した方が良い場合
基本的にはクイーン交換が自分にとって都合が良い時です
マテリアル ( 駒の損得 ) で有利を得ている時
クイーン交換を利用して他の駒を展開させられる
クイーン交換で相手のポーンストラクチャーを崩せる
スペースで不利なので相手の戦力を減少させたい時
Queenless Middlegame となるのが都合が良い
相手クイーンから攻撃を受けやすい時
相手の2つのルークとの交換で有利を得る場合
相手の3つのピースとの交換で有利を得る場合
など

クイーン交換を避けた方が良い場合
基本的にクイーン交換が自分にとって都合が悪い時です ( 上記の逆 )
交換しても有利を得られないのでクイーンを温存して活用したい時
マテリアルで不利な時 ( 戦力を保つ、同形三復のドロー狙い )
相手の駒展開を助ける
自分側のポーンストラクチャーが崩れ、弱いポーンができる
スペースで勝っている時 ( ピースの可動性を活用する )
クイーンを活用した攻撃ができる時
など

クイーン交換となるのが自然な場合
オープンファイルが1つでメジャーピース交換となるのが自然な時
ピンされていて交換が避けられない時
キングとクイーンに対してダブルアタックがかかった時

これらを参考に、クイーン交換すべきかどうかの局面になった時、よく考えて判断しましょう。ゲーム後、見直しをする時、クイーン交換がゲームにどのような影響を与えたか確認し、チェスソフトの分析も参考にすると良いでしょう。マスターのゲームを見て、クイーンがどのような使われ方をしているか見てみるのも勉強になるでしょう。

クイーン交換についていくつかの局面を見ていきます。

11.Qf3 の局面


NM Ty_Twadd vs. Krokov 0-1

白がクイーン交換を迫ったところ。黒はクイーン交換をすべきでしょうか?

白は Bad Bishop、 黒は Good Bishop を持っているため、クイーン交換すればエンドゲームで黒が有利になりそうですが、Spike1.4 の分析を見ると 11...Qxf3 とするのは白に都合がいいようです。 11...Qxf3 12.exf3 となると、センターの好位置にある Ne4 が追いやられ、ハーフオープン e ファイルを活用できるからでしょうか。

黒がクイーンを動かさなかった場合に白から Qxf6 とすると、その後 f3 としてやはり Ne4 を追いやれます。私が黒なら 11...Qxf3 とすると思いますが、黒のプレイヤーは 11...Qe6 で交換を避けました。



25.Qe3 ( Qf3 → Qe3 )


Rf5 に Qf3 が攻撃され、f2 ポーンを失わないように 25.Qe3 としたところです。
黒はクイーン交換すべきでしょうか?

Good Bishop と Bad Bishop のことを考えると、25...Qxe3 26.Bxe3 となるのは黒に都合が良さそうですが、27.h5 とされると黒は困りそうです。黒が 25...Qxe3 としない場合、26.h5 から 27.hxg6 となるのは白に都合が良さそうです。

25...Rxf2 も考えられます。
25...Rxf2 の場合、26.Qxe6 、 26.Rxg6+ 、 26.Qxf2 Qxg4 などの手が考えられます。
Spike1.4 の分析を見ると 26.Qxe6 fxe6 となるのは白が良く
26.Rxg6+?? Qxg6+ 、 26.Qxf2 Qxg4 の場合は黒が良いです。



25...Qxe3 26.Bxe3


クイーン交換となりました。ここで黒は 26...Rh5 としましたが、 26...e5 27.dxe5 Bxe5 とするのが良かったようです ( ...Rb2+ の狙い )。 



最終局面 43...Re3


白リザイン。 Backward d4 ポーンが弱く、パスポーンのある黒が優勢です。



27...Qg7 の局面


NM Ty_Twadd vs. Ziggyblitz 1-0

スペースで白が勝ってますが、白はクイーン交換すべきでしょうか?
28.Qxg7+ Kxg7 となるのは白が少し良いようです。私が白だったら、この局面から B vs. N のエンドゲームでになるのが嫌なので、クイーン交換は避けたいです。

28.Qe3 Qf6 29.Qe8 h5 30.Qe2 下図




ここで合意によるドロー。



22.Nxe6 の局面


NM Ty_Twadd vs. majesticspirit 1-0

ポーン1つ多く、f6 にパスポーンができる白が優勢です。 22...Qxe6 と 22...fxe6 どちらが良いでしょうか? 22...cxd3 という選択肢もあります。

Spike1.4 の分析を見ると 22...Qxe6 がいいようですが、黒は劣勢のため 22...fxe6 でクイーンを残した方がいいと個人的には思います。 22...Qxe6 23.Qxe6 fxe6 となると単純化されて白は戦いやすくなるでしょう。

22...cxd3 はこの局面では可能ですが、このようなカウンターアタックは先をよく読まないとさらに不利を招く可能性が高いため十分注意が必要です。
22...cxd3 23.Qxd3 Qxe6 24.Qxb5 
22...cxd3 23.Qxd3 fxe6 24.Rd1
22...cxd3 23.cxd3 Qxe6 24.Qxe6 fxe6
いずれも白優勢

実際のゲームでは 22...Qxe6 23.Qxe6 fxe6 でクイーン交換となりました。
24.dxc4 bxc4 25.Nc3 下図




黒が Bh8 を活用できないのに比べ、白は両ビショップを活用できるマスに運ぶことが可能です。油断してはいけませんが、黒のポーンは全て孤立ポーンで弱く、a サイドでもパスポーンを作れる白が優勢です。白としてはピース交換を行なって単純化していけばいいのと、黒の弱いポーンを攻めることも考えられます。



最終局面 35.Bxe5


黒リザイン。



25.Qd2 の局面


Ziggyblitz vs. NM Ty_Twadd 0-1

黒はスペースで勝っているのでクイーンを残して活用したいところですが、オープンファイルが1つなのでクイーン交換となるのは自然でしょう。クイーン交換を避ければ、白にオープン d ファイルを支配させてしまいますし、白に Qxd8 とさせるのは Ne6 を不要に後退させてしまうため、25...Qxd2 とするのが無難です。



25...Qxd2 26.Nxd2


ここからエンドゲームをどう戦うかは、エンドゲーム ストラテジーとなりますので、エンドゲーム ストラテジーの記事で扱います。



15.Qc3 ( Qc2 → Qc3 ) の局面


NM Ty_Twadd vs. ne-mov 0-1

白がクイーン交換を迫ったところ。 ハーフオープンファイルにある d3 の Backward
ポーンが弱く、黒有利なためクイーン交換は黒にとって都合がいいです。白としてはクイーン交換を迫るより、15.0-0 とする方が良かったです。

黒としては 15...Qxc3 より、先に 15...0-0-0 とする方が良いようです。

15...0-0-0 16.Ne1?! Qxc3 17.bxc3 Nd7 18.d4? Nf6 19.dxe5 Nxe4 20.Rd2 下図




7th ランクに進入されました。 20.Rc2 Rhd8 で白がリザインしました。



27.Kf1 の局面


CBA vs. NM Ty_Twadd 0-1

クイーンが残っているエンドゲームは、クイーンをどう使いうか難しいことが多いです。
もしこのポーンストラクチャーのままクイーン交換となった場合は、 d4 の孤立ポーンを守れない黒が不利な感じがしますが、ポーンエンドゲームは難しく、読み切るのは容易ではありません。

27...a5 28.a3 axb4 29.axb4 Qa7 下図




オープンファイルがもう1つできたため、黒はクイーンの活用性が高まりました。
白黒それぞれ考えられることは何でしょうか?


b4 ポーンを守りつつ、黒 d4 ポーン取りを狙う Qb2 + Kd3
黒クイーンが a1 - a2 - a3 にくることを防ぐため Qb2 とすると ...Qa4 や ...Qc4 あるいは ...d3 から ...Qe3 や ...Qd4 とされる可能性
できればクイーン交換して 黒 d4 ポーンを取りたい
黒 b5 ポーンを 白クイーンで攻撃すると、...Qa4 などとされ b4 ポーンの守りを強いられる
クイーン交換後、 h サイドでパスポーンを作りたい


単純にクイーン交換は d4 ポーンを失うので避ける
クイーンの活用、 b4 ポーン攻め、 a4 または c4 でクイーン交換
クイーンを a1 - a2 - a3 のいずれかに移動させる
d4 ポーンを失いたくない 
....Kb3 とすると 白 Qc1 を許すが 黒クイーンが白キングをチェックできる可能性
など



30.Qd3?!


エンドゲームは 1手のミスが大きく響きます、この手で黒が少し良くなったようです。 30.Qd2 、30.g3 、30.Ke2 などとするのが良かったようです。
30...Qa1+ 31.Ke2 Qa2+ 32.Qd2 Qc4+ 33.Kf3 下図




ここは 33...Kb6 などがいいようですが、33...Qb3+?! で互角の局面になります。

34.Ke2 Qc4+ 35.Kf3 Kc6 36.h3 g5 下図




37.fxg5 hxg5 以降 白は h ファイルでパスポーンを作れるようになりますが、黒キングが h ファイルのパスポーン昇格を防ぎに行けるので 36...g5 は悪くないようです。

37.fxg5 hxg5 の後 38.Kg4 で 黒 g5 ポーンを取りに行くと ...Kd7 以降 d ファイルのパスポーンがある黒が有利です。



37.g3 g4+?


37...Qf1+ としていれば 38.Kg4 d3 39.Qc3+ Kb7 40.fxg5 Qe2+ 41.Kh4 d2 42.Qc5 Qxe4+ などで黒優勢でした。



38.hxg4??


黒 d ファイルのパスポーン昇格を阻止したいので、38.hxg4 としたくなりますが、38...Qf1+ とされてしまうため、38.Kxg4 が正解でした。

38...Qf1+ 39.Qf2 Qd3+ 40.Qg2 Qxe4+ 41.Qf3?? 下図




41.Kh2 などでクイーン交換を避けるべきでした。 41...Kd5 、 41...Qxf3+ いずれも黒優勢です。
41...Kd5 42.Kf2 Qxf3+ 43.Kxf3 Kc4 下図で白リザイン。




参考例はたくさんあるのでもっと掲載したいところですが、記事が長くなり過ぎるため
このへんにしておきます^^

次へ → クイーン2


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